住宅ログ[14]設備を学ぶ
A社をメインにすすめながら、他社の相談会だったり、設備関連のショールームに足を運んでみる。
各社、特徴やこだわり、丁寧に説明してくれてメリットを説明してくる。
何社か回ってるうちに、Panasonic、タカラスタンダード、LIXIL、TOTOといった主要メーカーの設備の知識も少しついてくる。
(ちなみにこの頃はサンワカンパニーやアイカなどのブランドはまったく知らなかった)
タカラはホーロー、耐久性と掃除のしやすさ、
Panasonicはスゴピカ素材や樹脂製のアラウーノ、先進的、
TOTOは高いがネオレストとサザナは鉄板、間違いない、
LIXILはエコカラットやサティス、各メーカーの集合体、
などなど。
そして各社ごとに同じ意見だったり、違う意見だったり。
さらに各社(建築会社)の各メーカーでの「標準仕様」がある。
例えば、
A社のパナの標準はコレコレコレ、
B社のパナの標準はコレコレコレ、
といった具合。
さらにさらに悩ましいのが、
「キッチン、お風呂、トイレ、洗面のメーカーを統一したら無料でオプションやグレードアップがある」
という事。
タカラで揃えたら洗面台周りのホーローパネルまで施工とか、トイレがタンクレスにグレードアップとか。
Panasonicで揃えたらキッチンパネルの色がワンランク上のグレードまで選べるとか、浴室乾燥機がグレードアップするとか。
他にも照明、床、壁紙、窓と決めないといけない。
ここでふと、
「パナだけで家建つんじゃね?床も照明も家電も全部あるし。考えたらパナホームだもんな。全てパナ製品にしたら価格も抑えられないかな?」
と気づく。
ソーラー機器だったり、エコキュートだったりパナ製品は多岐にわたる。
圧倒的なまでに。
パナは後ほど大きく関わってくることになる。
住宅ログ[13]C社のプラン
前回から数日後、C社のK氏よりメール。
さっそく間取りと概算見積りを作成したとの事。
過度な期待はしないよう自分に言い聞かせ、妻と一緒にC社へ。
K氏:
「まずは間取りから、こちらになります」
俺&妻:
「おぉ~。」
これは、イイんでない?
通りに面した道路側から並列で2台ガレージ、そのままガレージ内に面した玄関を入ると階段と1部屋、回り階段を上がりコンパクトにリビングキッチン、トイレにお風呂、部屋が2つ。
帰ってきてからの動線が想像できる。
K氏:
「家具等を当てはめてくと、だいたいこんなイメージかと思います。」
そう言ってK氏が出した別の間取り図を見て、「ん?」となる。
階段あがってイキナリのソファー、テーブルにTVボード1人掛けソファー。
ダイニングテーブルがペニンシュラキッチンにベタ付けだが、リビングテーブルとの動線どころではなく隙間をぬうような歩き方になる。
間取りだけ見て数字まで見れてなかった、コンパクトというか小さいのだ。
よく見ていくと、ガレージも2台並列だがギリギリのサイズ、トイレの広さや階段の幅など少し小さめな気がする。
K氏:
「1階部分でお金がかかり、予算の残りで2階を作っています。それで少し小さくなってコンパクト感はありますが、リビングから道路側に窓を配置して開放感を持たせてます。」
なるほど。
うーん、間取りとしては悪くないんだが。
小さいのが気になる。
もちろん維持や老後を考えたらコンパクトな家は悪くない、が。
K氏:
「それから、概算見積りになります。諸費用や地盤改良の概算見積りも含めてます。」
俺:
「(ぐわ~高い)なるほど、わかりました」
間取りは良かったのだが、全体的に小さいのと設備等を考え、坪単価で計算したとき今までもらったプランの中で一番高かった。
これだと今のアパートに毛が生えて1部屋増えたぐらい。
K氏に礼を伝え、その日は帰宅。
妻と相談し、C社、D社は見送ることに。
A社、B社ともう少し相談しながら別の会社の完成見学会や相談会も行ってみようと方針が決まる。
住宅ログ[12]C社と会ってみる
D社との対応から数日後、スマホに知らない番号から着信。
一旦、見送り留守電へ。
留守電:
「C社の代表のKです。メールありがとうございます。一度、会ってお話しできればと思いますので、ご都合のよろしい時に連絡ください。お待ちしております。」
すぐにコールバックし相談日を決める。
当日、知っている事務所とは別の新しい事務所があるとの事で、そちらで初対面。
C社が建てたアパートの1室、造作のドアやキッチン背面収納、カウンターがシンプルでキレイな2LDK。個室は別のスタッフが仕事しており、リビングスペースに案内される。大きな壁掛けテレビに事前に送ったメールや画像が表示されている。
K氏:
「メールありがとうございました。プランニングさせていただくうえで、何点か確認させてもらいたいので、よろしくお願いします。」
いかにも今時の設計士といったデニムに白シャツの代表が対応してくれた。
K氏:
「さっき土地をみてきました。面白い土地ですね。高低差をいかしたプランニングを思いつきますが、まずは予算や希望から確認したいです。」
どんな雰囲気の家にしたいのか、どんな機能や設備が欲しいのかを伝える。
数日中に間取りと概算見積りを作成してるとの事でこの日は終了。
建築事務所なので、少し高いだろうなと期待せずに待つことにする。
住宅ログ[11]D社と相談
有給消化しD社へ。
同級生から紹介された営業M氏はとても丁寧で話やすい方でだった。
そしてイキナリ社長が会議室に入ってきて地元ネタで話しかけてくる。
社長:
「〇〇さんとこもウチが建てさせてもらったよ」
「△△さんもこの間相談にきてたけど、同い年ぐらいじゃない?」
なかなかの地元ネタで盛り上がる。
10分ほど世間話をして、社長も一緒にプラン説明へ。
M氏:
「事前に現場見てきました。メールに書いてたように、外構工事が費用がかかりますね。盛っても削っても。ウチでコストダウンを提案できるとしたら、まず木造建てにします。そしてガレージはRCの混構造でプランニングになると思います。」
俺:「混構造ってのは?」
M氏:
「たとえば下のガレージをRC造で、上に鉄骨や木造で部屋を作る感じです。このRC造で後ろの道を支持しつつ、ガレージと倉庫だったり部屋を。で、RCの上に平屋を乗せるイメージです。」
俺:「なるほど。そういう造り方もあるんですね。」
M氏:
「実際に混構造で建てた物件が近くにありますが、見に行きますか?」
俺:「ぜひお願いします」
というワケで早速見学へ。
だいたいの場所を確認していたのだが、「もしかしてアレかな?」という物件が見えてくる。
近づくにつれ不安は高まり、目の前で停車した瞬間に落胆へと変わった。
M氏:
「ここは土地が丘の高い部分だったので、下の道にあわせるために車庫はレベルをあわせてます。なので下はRCでガレージを作って箱にして、その上に木造平屋ですね。外階段になりますが。」
俺:「なるほどー(外階段はちょっとなぁ)」
もう一軒、通常の木造平屋を見せてもらった。
俺:「なるほどですねー(D社は好みと違うなぁ)
誤解を恐れず言えば「普通の家」なのである。
長方形で三角屋根。サザエさん。
自由設計とは言ってたが、これは規格住宅レベルだろう。
家に対してこだわらない、
住めればいい、
どうせ中から外観はわからない、
不便じゃなくて高くなければ、
って人ならOKだろう。
エアコン室外機も通りに面して設置されている。
M氏の対応は良かっただけに残念だが、D社はここで脱落と決め解散した。
なかなか光が見えてこない。
住宅ログ[10]C社・D社にも相談
A社・B社のプランに正直、気落ちしながらも行動する。
少し考え地元のC社・D社にも相談してみようと決めた。
C社はこんなとこに建築士事務所あったっけ?ってぐらい知らなかったが、僕が生まれた頃からあり、しかも今のアパートから歩いて5分のところ事務所があった。
さらに実家の向かいの家はC社であったことも判明。
D社もこれまた近所の、なんとなくこの通りに土建屋あったなって記憶の会社。
こちらは不動産屋の同級生から営業を紹介してもらった。
電話だと上手く伝えられそうにないので、両社に一度メールをした。
幸い、数日後にはそれぞれ話を聞かせてほしいと言ってもらえた。
土地の図面や希望の外観スケッチ等を先にメールで送信し、プランができ次第会って話をする流れになった。
依頼してから約2週間、先にD社から見積りプラン完成の連絡がくる。
住宅ログ[9]暗中模索
A社、B社のプランで購入検討中の土地は外構工事費がかかる事が判明。
それぞれ違うアプローチで建てながらも、
外構工事費は同じぐらいかかってしまっている。
どうすればいいか?
①要望を見直す(設備や間取りを削る)
⇒ 部屋数は最低数で、設備も標準仕様で金額は出されている。
ガレージや和室といった要望はほとんど実現されてない。
②予算を見直す
⇒ 今と同じ生活水準を維持しつつ、もう少し予算は増やせる。
③別業者にも依頼してみる
⇒ もしかしたら別の方法で外構工事費を抑えたプランができるかもしれない
④土地購入を見送る
⇒ 現時点でも非常に便利な土地、将来的にも価値がある場所。
ここより立地条件が良い土地はおそらく出てこないと思われる。
不動産屋の同級生にも現況を報告し、少し待ってもらうよう地主にも伝えてもらう。
地主は特別急いでいないので大丈夫と言ってもらえたらしい。
まずは①と③、それから②の流れで動くと決めた。
構造や設備についても再度調べ直す。
業者にメールで相談、プランニングが可能かを問い合わせる。
完成見学会で現況を伝え、プラン作成できるか相談もした。
起死回生のプランが出ないか、可能性は低いがモチベーションを維持するためにとにかく行動する。
住宅ログ[8]B社プラン1発目
A社から遅れること数日、B社から連絡。
完成見学会も兼ねてプラン提示したいとのこと。
当日、見学した家も間取りが良くできていて、期待を胸に部屋に案内される。
しかし、資料をもらう前にN氏から言われる。
「申し訳ありません、最初に伝えさせてください。予算をオーバーしてます。契約の可能性が低いと思われるので、設計は動かさず営業サイドで見積を作成しています。外観まで作成もできていません。申し訳ありません。」
増税前で駆け込み契約が多く、現場はフル稼働で職人が足りない状況。
社としては無理な契約はせず、納期を守るのが最重要方針だと教えてくれた。
「そうですか、、、無茶言って申し訳ありません。でも、ありがとうございます。」
そしてB社の間取りと見積を見せてもらう。
おお!コレはいい。
玄関の向きはA社と同じだが、位置をズラし、リビングを中心に部屋を配置、水回りを上手く並べてまとめ、小さく和室もある。
今まで見学させてもらったB社の家と基本が一緒で、極力無駄なく配置されている。
トイレも2つ、玄関近くと奥にプライベート用で上手く作られている。
和室とトイレの希望はクリアされており、間取りはできていた。
そして肝心な見積りの金額。
・・・・500万近くオーバーしていた。
坪単価はA社より高い。
で、土地はどうしたか?
A社と正反対で前の道に高さを合わせるよう切り崩されていた。
なぜ切り崩したのか?
理由はA社のように土地を造成すると擁壁と地盤補強に金がかかるとの事。
そこはすぐ理解できた。
が、待てよ?擁壁はないのに何故にこんなに高い?
理由は後ろの道にあった。
切り崩すと道が崩落する恐れがあるので、それを支える矢板工事と言われる補強工事が必要になるとのこと。その費用が予算の1/3を占めていた。
これだと後ろの道からは崖下の家、見下ろされる形になる。
うーん。
「今回はこのような見積りになりますが、気になる事があればいつでも連絡ください。あと、もし他社に決まった場合でも連絡だけ頂ければと思います。」
N氏に礼を伝え、その日は帰宅。
どうやっても金がかかる土地なのか、計画が暗礁に乗り上げた気がした。